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イネムリネズミ日記

いけがみを召喚するには、出現予定を参考にしてください。三週間前までにメールをくだされば、日程を追加するなどしてスケジュールに組み込むことができるかもしれません。勉強会や個人的な会合、中途採用面接などに応じます。

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2006-11-19 KOF 2006 発表原稿を公開します [長年日記]

_ 昨日(11/18 土)はKOF 2006 (関西オープンソース 2006)に参加しました

いけがみが発表した原稿をこのエントリで公開します(日記の日付は11/19ですが、その後1週間にわたって少しずつ書きためた文章を追加しました)。協力してくださったみなさま、一緒に応援してくださった聴衆のみなさま、そして看病をいまも続けてくれる家族に心から感謝します。Haskell セッションの終わりに片付けを急遽手伝ってくださったお二人(男の方と女の方でした)、お名前を伺わずじまいでしたが、お心遣いをとても感謝しています。

_ 現在の体調と発表前の体調、発表後の体調

発表前の気持ちについては、11/3のエントリに書きました。

医師と相談をしつつKOFの参加の是非を見守ってきました。発表の2週間前までは、参加をあきらめる方向で動いていました(小波先生には原稿の代読などを引き受けていただきました、ありがとうございます)。KOF の週の体調を見て、「3時間のみ活動し、残りは休息に充てる」という条件付きで参加する事にしました。

医師と私にとっての KOF 参加の目的は、現状の体調を知る事と、今後の治療方針を決める事にありました。私の病状は2種類の異なる解釈が可能で、治療や対処が難しいのです。今回 KOF の準備と参加により、私に適度なプレッシャーをかけることで、病状の変化を観察する事ができました。体調は好転してはいますが、集中力や活動時間はせいぜい3時間がせいいっぱいです。そこで、さらなる療養の必要があると判りました。

2つ目の発表(Ruby)では私は精神力を使い果たしていたのでほとんどしゃべりませんでした。にもかかわらず、私のプレゼンテーションは楽しんでいただけた事と思います。

毎日、悪夢と不眠、頭痛と不安感と闘っておりますが、一日のうちたった3時間しか使えないために、逆に、私は一日をとても大事にするように変わりました。「ユーモアを大事にする事」「楽しむこと」「機転を働かせる事」などが病からくる逃れられない不安と闘うための方法になっています。スライドにもその片鱗が覗いている事と思います。看病してくれている家族と、応援してくださるみなさまに感謝いたします。

_ プログラミング言語 Haskell 紹介@KOF2006

11/07のエントリで書いたように、今回のプレゼンテーションの目的はHaskellをまったく知らない人が Haskell を使ってみたくなるようにしむける事でした。いろいろな人の感想、たとえばビンゴ中西さんの感想を見ると、Haskell の魅力を伝える事はできたのかな、と嬉しく思います。

一方で、Haskell を知っている人に対しては物足りない印象を与えたかもしれません。私としては、質疑応答の時間でその足りなさを埋めるつもりだったのですが…司会力をより精進いたします。スライドには、Haskell が強く型付けされていることの魅力を書きましたが、その他の魅力については、Haskell.org のイントロダクションをお読みになればよいと思います。

次回の関西オープンソースは、もう少しHaskell者向けに、たとえばプログラムの実例やデモなどをお見せした方がよいかもしれませんね。皆さんもどうぞ1年間の間に Haskell についていろいろと調べたり触ったりしてみてください。

BGM について。発表前は Pérez Prado のアルバム"The Best of Perez Prado" を、スライドの発表中は女子十二楽坊のアルバム"世界名曲劇場〜序曲〜"でお送りしました。

_ GHC as a Library(GHC API)

Shelarcy さんによる ghc 6.6 の新機能 GHC as a library の紹介でした。スライドはこちら。私にとっては非常にためになる講演でした。ありがとうございます(たぶんこれからの仕事で使うことになります)。

_ Haskell Q&A Live!@KOF2006

当日でた質疑応答をわたしが覚えている範囲で記載します。Shelarcy さんと二人で答える側に回って、大変楽しかったです。Shelarcy さん、ありがとう!

BGM について。Q&A の間は音量控えめで Eddie Higgins Trio のアルバム "If Dreams Come True" を流していました。

_ Haskell Q&A Live! 質疑応答

C--とは何か?
Shelarcy さんの発表の中にプログラミング言語C--が現れました。この言語はコンパイラを作成するときに役に立つようです。詳細はリンク先をご覧ください。
型推論と型検査の違いは何か?
Haskell は強力な型推論機構を持つ言語で、このおかげでプログラマは関数の型を書かなくてもすむことが多いです。一方、Haskell は型検査機構も持っており、このおかげでプログラム中のバグを自動的に発見します。型推論と型検査の違いは、それぞれWikipediaのエントリに詳しいのでお勧めします。Type Inference (en.wikipedia.org)   Type Checking(en.wikipedia.org)
Haskellにはデザインパターンのようなものはないのか?
デザインパターンはプログラム作成に現れるパターンを抽象化して集めた物だと私は理解しています。このようなプログラム作成に現れるパターンの抽象化を、関数型言語では「高階関数」を利用して書きます(これは、当日の Shelarcy さんの回答で、私は的を射ていると感じました)。デザインパターンを暗記することは Haskell では必要ありません。ほとんどの抽象化パターンはすでに Haskell (あるいはGHC) の標準ライブラリの高階関数として用意されてあります。イディオムを覚える必要はありません。プログラムを作成していく思考の過程で、型を考えれば、必要な高階関数が何であるかが自然に思いついてしまう、のが型の強い関数型言語のプログラミングの楽しみの一つです。
Haskellのプログラミング環境を自分のPCに導入するには?
私の個人的な意見としては、Glasgow Haskell Compilerをインストールする事をお勧めします。Shelarcy さんはhIDEも褒めてました。
Haskellの日本語で書かれた情報を手に入れるには?
Google しましょう。日本語で書かれた本が2冊(向井さんの『入門Haskell』とあおきさんの『ふつうのHaskell』)あります。それから、現在 Shelarcy さんが日経ソフトウエアで連載されている記事もあります。(この件については司会の私がボケたことを言いました。ツッコんでくれた観客の方、ありがとうございました)

_ RushCheck & RSpec 紹介@KOF2006

直前のHaskellセッションで精神力を使い果たしましたので、Rubyのプレゼンではセリフはほとんど使いませんでした。それでも、反応を見るとみなさん楽しんでいただけたようですし、もちさんの感想のように、私の強調したかったところが伝わったようなので大変満足です。

今回用いたプレゼンの手法は仮に「押忍!闘え!応援団メソッド」としておきます。パロディですので、原作を尊重して。このメソッドにまつわる話もここに後日書く予定です。病気のリハビリを兼ねた朝の練習に毎日つきあってくれた母に改めて感謝します。

BGM について。スライド前半問題提起部は Pérez Prado のアルバム"The Best of Perez Prado"より、「TABU」。続いて後半 RushCheck と RSpec の紹介部は女子十二楽坊のアルバム"〜Beautiful Energy〜"より「自由」でお届けしました。スライドの尺がBGMとぴったり合うように調整されています。応援スタイルでダンスするのは、「押忍!闘え!応援団」からもらったアイデアです。一方、女子十二楽坊の「自由」でフリースタイルダンスするというアイデアは、少年チャンプル (ja.wikipedia.org)で放映されたプリンケツプリンケツのフリースタイルダンスを見たのがきっかけです。プリンケツプリンケツさんの「自由」のダンスは傑作なので、みなさんもどこかで見られたらいいですね。

_ RushCheck & RSpec 紹介発表スライド [Macromedia Flash形式|Apple QuickTime形式|Acrobat PDF形式]


KOF2006 I was dancing KOF2006 I was training

_ 「押忍!闘え!応援団メソッド」とは

「押忍!闘え!応援団メソッド」は、悩みを抱えたプログラマやピンチに陥っているプログラマの前で音楽に合わせて応援プレゼンする、応援リズムアクションプレゼンテーション法です。Nintendo DSのゲーム「押忍!闘え!応援団(おす!たたかえ!おうえんだん)」 (注意:応援団のサイトは音が出ます)にヒントを得た、(私の知る限り)新しいプレゼン手法です。

私が考えるに、プレゼンテーションの目的は次の3つです:

  1. 話者が提供する問題を聴衆が理解・共有
  2. 話者が提供する解決法に対し、聴衆が納得
  3. 聴衆が「問題に対する解決法を得た」と満足する

この3つが達成されたとき、プレゼンテーションは機能したと言えるでしょう。「押忍!闘え!応援団メソッド」は内容よりもウケ狙いに見えますが、機能するプレゼンテーションとしての以上の3点を押さえるように工夫されています。この手法の特徴は、スライドが応援団風であることだけでなく、スライドが BGM に合わせて自動アニメーションで流れる一方で、発表者はセリフなしで応援振付のみを繰り返すところにあります。まだ、私の完全に満足の行く形にまで熟成されていませんので、これからも精進いたします。

_ 「押忍!闘え!応援団メソッド」が機能するプレゼンテーションである理由その1

スライドの最初は問題提起に費されています。このプレゼン手法では、発表者は問題提起が終わるまで、いっさい身動きもせず、セリフもありません。ただ腕組みをしているだけです。ひょうきんな BGM が流れているため、聴衆はひょうきんなスライドに飽きることなく集中することになります。問題提起が終わったら、「皆様も応援団です」というスライドが表示されます。このことにより、発表者が提供する問題が共有されます。スライドも発表者も聴衆も応援団です。

_ 「押忍!闘え!応援団メソッド」が機能するプレゼンテーションである理由その2

解決法は「団員心得」という形でシンプルな単語として提供されます。ここから発表者は BGM に合わせて応援団の振付を開始します。ダンスのめりはり(静と動)、BGM の調子の変化とスライドが対応するようにあらかじめ調整されていることがミソです。たとえば今回のプレゼンテーションでは BGM として女子十二楽坊の「自由」を用いました。この曲は二つの盛り上がる調子の間に間奏があります。スライドの RushCheck と RSpec の話題転換のタイミングと、BGMの間奏に入るタイミングが一致するように、スライドの自動アニメーションが注意深く設計されています。

応援団のダンスは、普通のダンスとは異なっています。普通のダンスはダンサーに注目させるような振付です。一方、応援団のダンスは、観衆の目を遠景(プレイヤーなど)に向け、近景(応援団)に注目させません。この振付は、そのまま聴衆をスライド(遠景)に注目させることと対応しています。発表者がセリフを発せずに、ただ振付を行っていても、その振付が応援団風なために、聴衆の集中力が削がれないのです。

このことから、聴衆はスライドが提供する問題に対する解決法に集中します。発表者がセリフを言わないということは、スライドのなかにのみ解決法がわかる形で書いてあることを意味します。絵などを工夫すること、セリフの応援団風の力点などによって、複雑な方法でも聴衆の心に強く印象づけられるはずです。

_ 「押忍!闘え!応援団メソッド」が機能するプレゼンテーションである理由その3

聴衆は発表に満足するでしょうか?単にプレゼンがおもしろおかしいだけでは、私が求めている方法には足りません。このメソッドでは、発表の後半に、聴衆にBGMに合わせた手拍子を要求します。と同時に、発表者の振付は徐々に複雑かつスピーディなものに変化します。高橋メソッドほどではないにしろ、大きめのフォントを用いて重要な点だけをスライドに表示しますので、発表者が聴衆に伝えたいメッセージを簡潔に伝えることができるはずです。発表の最後に、聴衆が「応援団となって応援した」と感じることは、「発表者が提起した問題を共有し、問題の解決法を納得した」ことの暗示になっています。これがこのメソッドの工夫です。

_ P.S. 株式会社イニス様、任天堂様

面白いゲーム「押忍!闘え!応援団」を作っていただきありがとうございます。闘病中の私には Nintendo DS が友達でした。このゲームはゲームとして面白いだけでなく、病気をがんばって治そうという気力がわいてくる素敵なゲームです。私も何度もこころの中で応援団を呼んだものです。今回、プレゼンを作るにあたって開発者の皆様に感謝する意味で、新品の「押忍!闘え!応援団」をもうひとつ買いました。これは、将来病気が治ったときに友達とみんなで応援するのに使うつもりです。本当にありがとう。もしその気があれば続編も出してください。(できれば続編では、各ステージのイントロのアニメーションが一度見た後はスキップできるとなおうれしい)

_ 押忍!闘え!応援団パロディ

「プログラマ」にはくじけそうになっても
やらなきゃならない時がある
あきらめちゃいけない事もある
 
そんな彼ら彼女らの「頑張り」を
見守るヤツらがここにいる
 
どこからともなく現れて
「エール」の嵐を巻き起こす
 
元気と希望、愛と勇気を与えてくれる
我らのヒーロー!
その名も……応援団!
 
押忍!闘え!応援団!

出現予定(召喚方法 ikegami@madscientist.jp):

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